地質に基づくマテリアルレイヤー

自然環境や地形生成の理解に基づいてマテリアルレイヤーを階層的に考えてみます。
マテリアルを大まかに分けると、岩、土、植生、砂となると思います。

5億年前の地球の陸上にはまだ緑はなく、剥き出しの岩が広がる世界でした。そこへ原始的な植生が少しずつ浸食し、岩を分解して土を生み出しながらやがて草原や森といった、現在の風景が形作られていきました。

地面を数十センチ~数メートルも掘ればすぐに岩盤が顔を出します。すべての土台は岩となります。

土とは、岩石が風化・分解されて出来た鉱物粒子に有機物(枯れた落ち葉や植物や動物の遺骸)が混ざって出来た自然界の層です。土という物質があるわけではなく、様々な要素で構成されています。

・無機成分(砂、粘土)
・有機物(枯れ葉、腐食)
・水分(地下水)
・空気(酸素、窒素)

微生物や菌類も棲んでいて、ひとつの生態系となっています。無機物な岩石に対して、土は生き物ですね。

岩の風化だけでは土は生まれず、土は植物とともに地上へ進出していきました。堆積・移動を繰り返しながら低所から高所へ広がっていき、これは現代でも山の斜面における植生の拡がり方として観察できます。

植物が死んで土に戻る→その土から植物が育つ、という循環構造があり、草と土は切っても切れない関係。

草は土壌がないと育たない(岩には生えない)ため、草がある場所には必ず土がある
では土のほうはというと、土があっても草がない場所は存在する

マテリアルレイヤー

以上のことを踏まえると、下層から岩→土→草→砂の順番が理にかなっていると思います。

最も風化してない状態で、他のレイヤーの「土台」
・急斜面、高所、乾燥地に多い
・植物はない
・浸食で表面に現れる

岩が風化して出来た粒子と有機物が混ざった層。
・傾斜がゆるいほど溜まりやすい

土壌が一定の条件(水分・栄養・気候)を満たすと植物が定着する。
・平坦~ゆるやかな斜面
・水が適度に保たれる場所

砂・石

剥き出しの岩が風や水で細かく砕かれ、移動して堆積したもの。土となるにはまだ粗い粒子。
・河川・海岸・砂丘などに多い
・草と混在する

植物の少ない火山地帯や高山地帯では砂と草・土のレイヤーの順序を入れ替えてもいいかもしれないですね。表現に合わせて柔軟に対応するとよいと思います。

参考書籍

土がどれだけ生命の進化に影響を与えているか壮大なスケールで解説してくれる本。土への意識が変わります。
土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る (ブルーバックス B 2278) 新書 – 2024/12/26 藤井 一至 (著)

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