大気中の酸素濃度の計算

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標高と酸素濃度

登ると息が上がるのは酸素が薄くなるからですが、空気に占める酸素の割合そのものは標高が変わっても約 20.9% のままです。変わるのは気圧のほうで、その分だけ一呼吸で取り込める酸素の量が減る。

下の表の「酸素濃度(海面相当)」は、実際の濃度ではなく海面で同じ息苦しさになる濃度に換算した値である。20.9% × 気圧比 で出している。

標高気圧海面との比酸素濃度(海面相当)
0m1013 hPa1.00020.9%
1000m899 hPa0.88718.5%
2000m795 hPa0.78516.4%
3000m701 hPa0.69214.5%
4000m617 hPa0.60812.7%

気圧は国際標準大気(ISA、海面 1013hPa / 15℃)の値である。

「高度が 10m 上がると気圧が 1hPa 下がる」という覚え方もあるが、これは概算に留める。下がり方はその高さの空気の密度で決まるので、海面付近では 10m で約 1.2hPa、4000m 付近では約 0.8hPa と幅がある。0〜4000m を通した平均がたまたま 10m で 1hPa に近いだけで、途中の標高では 2% ほどずれる。この近似から気圧を出すと、上の酸素濃度と噛み合わなくなる。

標高と温度

標高が 100m 上がると気温は 0.6〜0.65℃下がる。下の表は国際標準大気の 0.65℃/100m で計算した。

標高温度差
0m0
1000m-6.5℃
2000m-13.0℃
3000m-19.5℃
4000m-26.0℃

富士山 3776m 海抜 0m が 20℃のとき、山頂は 20 - (0.65 × 37.76) = -4.5℃ となる。

0.65℃/100m と 1.0℃/100m は別物

同じ「上がると下がる率」でも、指しているものが違う。紛らわしいので分けておく。

  • 気温減率 0.65℃/100m — 大気が実際に持っている気温の縦分布。上の表はこちら。山頂の気温を見積もるときに使う。
  • 乾燥断熱減率 1.0℃/100m — 空気の塊が自分で上昇するときに下がる率。湿った空気が凝結しながら上がる場合(湿潤断熱減率)は 0.5℃/100m 前後まで緩む。雲ができる高さや、山を越えた風が乾いて暖まる現象(フェーン)を考えるときに使う。

上昇した空気の塊の温度が下がるのは、周囲の気圧が下がって膨張し、周囲を押しのける仕事をした分だけ内部エネルギーを失うためである。熱がどこかへ逃げているわけではない。

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