背景に植生アセットを配置するときに参考になりそうなヒントをまとめました。
植生がどこに生えるかは偶然ではなく、地形と深い関りがある。たとえば尾根や急な斜面では、風が強く土が乾燥しやすいため大きな木は育ちにくく、低木や草が中心になる。反対に谷底や斜面の緩やかな場所は湿り気や養分が豊富なので、シダや広葉樹がよく育つ。植生の分布には地形との因果関係が表れている。
植生の役割

崩れそうな斜面を木の根がつなぎ止めている。
アンカー効果(縦の根)
太い根は地中深くに突き刺さるアンカーのように働いて、表土が滑り落ちるのを防いでいる。岩盤に届くような根は「杭打ち」のような役割を果たしている。
ネット効果(横の根)
地表近くを走る細い根が無数に絡み合って、表土を編み込むように保持する。ネットを敷いたように、雨で土が流れないように抑え込んでいる。
水分コントロール
根が水を吸い上げることで、地盤の水分を減らし、重くなりすぎたり液状化するのを防ぐ。森林が伐採されたり山火事で焼けたりすると、急に土砂崩れが起きやすくなる。
分布について

なぜ群落で分布するのか
群落としてまとまることで風や雨、感想から身を守れる。単独で立つと風や雪からダメージを受けるが、塊になることで内部が保護される。
植生の棲み分け
低木が下草のエリアまで浸食しないのは表土が薄い、乾燥が強いなどの理由で低木が定着しづらいから。その場所にはその環境条件に一番うまく適応できる植生が定着していく。
植生が根付きにくい場所

尾根・稜線
強風で雪が飛ばされる(雪は保温効果があり、植物が凍結死しにくい)
夏でも表土が飛ばされやすく、根を張る土壌が少ない
急斜面やガレ場
岩や砂礫が常に動いているため、根を張っても安定しない
大きな岩が転がることで芽生えが潰されやすい
氷雪が長く残る場所(雪渓周辺)
融雪が遅く、成長期が短くなる
土壌が冷たく湿りすぎて根が広がりにくい
岩場・岩壁の露出部
表土がほとんどない
乾燥しやすく昼夜の温度差も大きい