植生取材:木曽駒ケ岳

撮影日:2025/8/31~9/1

木曽駒ケ岳山頂からの風景。頂上山荘のテント場と中岳。

1年ぶりの木曽駒ケ岳です。今回は植生の観察を主な目的に登りました。植生の知識があると風景の解像度が高まり、登山がさらに楽しく感じられますね。

アクセス

今回は週末ということもあり、菅の台バスセンターの混雑を回避するために、駒ヶ根ICを降りてすぐのところにある駐車場にクルマを停め、「女体入口」からバスに乗ることにしました。駒ヶ根駅からの始発バスは満員で乗れず、つぎのバス(30分後)に乗ることになりました。

頂上山荘でテント泊するため、ザックは10kgほどの重量。でもロープウェイを使うから楽ですね。

費用

バス代(女体入口~しらび平駅)往復1,920円
ロープウェイ代(往復)2,790円
頂上山荘テント泊2,000円
駐車場代(1泊)700円

※神奈川県からの高速代は往復10,000円、ガソリン代は5000円ぐらい。

千畳敷カール

6時37分に「女体入口」バス停(標高755m)からバスに乗って、しらび平駅(標高1,662m)でロープウェイに乗り、ロープウェイ千畳敷駅(標高2,612m)に到着したのが7時40分でした。山道を走るバスは快適ではないけど、1時間で2,612mまで来れるのだから文句は言えない。

遊歩道からの風景

ロープウェイ駅を出てすぐ現れるこの景色。迫力がありますね。このまま登っていきたいところですが、植生の観察をするために、遊歩道の方へ降りていきました。

事前に植生の知識を頭に叩き込んでいるので、答え合わせをする要領で観察。8月末なので少し紅葉が始まっていますね。

開花時期を過ぎていてわからない花も多かった。もっと早く来るべきだったなー。植物は時期でだいぶ様相が変わりますね。

植生の知識があると、「あそこは紅葉時に赤く染まり、あそこは黄色く染まるんだな~」と風景を予測することができて楽しい。去年はこの視点がなかった。

植生観察を一通り終えて、八丁坂を登る。しっかり安全性は確保されているだろうとはいえ、浸食跡に作られているので、落石や崩落が心配になる道である。

乗越浄土でゆっくりしながら中岳へ。しかし今回は早く来たおかげで空気が澄んでいて景色がいい。山は午後になるとガスがかかったり曇りやすくなりますが、これは地表が太陽に温められて上昇気流が発生するため。やはり登山は早朝に限りますね。

中岳(標高2,925m)に登ると、伊那前岳の斜面が気になった。斜面に岩がないのに砂礫がだけが残っていて不思議。これは岩石が凍結破砕で砕かれ、大きな岩は転がり落ち、細かい砂礫が残ったため、と推測できる。そのあと安定した部分にハイマツが進入してきたのだろう。

夜を迎えたテント場。天の川が見えるくらい星が綺麗でした。夜間撮影もしてみたいけど、三脚(1.25kg)を持っていくのはつらい。

木曽駒ケ岳

5時20分の日の出に合わせて、4時半にテント場を出て木曽駒ケ岳を登った。

木曽駒ケ岳山頂から。南アルプスの山脈と、富士山が見える。

山頂(2,956m)に到達した頃に風が吹いてくる。寒い。風速計をもってくればよかった、とちょっとだけ後悔。何でも計測したくなるのは職業病。

行ってみたい山だらけですな。

名前はなさそうだけど、眼下に見える山がよい。自分がGeoGenで作ったような山だなと思い、山岳生成のプロセスは間違っていなかった、と答え合わせができた。

テント場へは来た道ではなく、将棊頭山(しょうぎかしらやま)へ向かう稜線を途中まで歩いて、植生観察をしながら迂回して戻った。

中岳の巻き道

帰りは中岳を登るのが面倒だったので、巻き道を通ることにした。が、これがまあまあ危険な道だった。

道の右側が切れていて、嫌な予感がする

両手足を使って這い上がらないと登れない岩場もあり、滑落したら助からなさそうな道だった。知ってれば大丈夫そうだけど、初見はわからないので怖い。テント泊装備だとなおさら。

巻き道って危険な難所を迂回する道っていう意味だったような?間違える人は多そうだ。

伊那前岳の稜線

乗越浄土まで戻ったあと、寄り道して伊那前岳の稜線を歩いてみることにした。

この稜線からは千畳敷カールを一望することが出来る。

かわいい鳥さんたちにも遭遇。イワヒバリの柄が綺麗。ひょこっと頭を出していたライチョウも見ることができてありがたい気持ちで帰路につきました。

紅葉の時期(10月上旬)に答え合わせをしにまた訪れてもいいかもしれないですね。

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