針葉樹と広葉樹

針葉樹と広葉樹は紅葉の時期になると色の違いがはっきり現れるため、この違いを意識して配置すると景観により説得力が生まれる。

針葉樹と広葉樹の特徴

マツ

針葉樹

・葉が細くて針のよう
・常緑が多く、一年を通して緑色
・寒さや乾燥に強い

サクラ

広葉樹

・葉が広くて平たい
・落葉する種類が多く、四季で姿が変わる
・種子は実や果実としてつく

低木

低木にも針葉樹と広葉樹がある。

低木の針葉樹
ハイマツ

低木の広葉樹
ツツジ、ヤマブキ、アジサイ

針葉樹と地形の関係

厳しい環境に強い存在。

瘦せ地、急斜面、寒冷地に強い
根が深く入り、土が少なくても生きられる。岩の多い尾根筋、急斜面、火山性の土壌によく出る。

寒さに強い
高山や北向き斜面では針葉樹林が広がる。

土を作るスピードが遅い
落ち葉が分解されにくく、酸性の土を作るので「暗くて他の植物が育ちにくい森」になる。

広葉樹と地形の関係

安定した場所をさらに豊かにする存在。

肥沃で安定した土地を好む
谷底、緩斜面、湿潤な場所でよく育つ。

落ち葉が土を豊かにする
腐葉土をつくり、土壌が厚くなり、地形を安定化する。

日当たりや湿度で種類が変わる
乾いた尾根:コナラやミズナラ
湿った谷筋:ブナ、カエデ類

分布

尾根筋・痩せた斜面→針葉樹が優勢
谷筋・緩やかな斜面→広葉樹が優勢
中間地帯→混交林(両方混ざる)

針葉樹と広葉樹の分布を読むと、地形の栄養状態や安定度まで透けて見える。

針葉樹は深い緑、広葉樹は明るい緑(紅葉や新緑は広葉樹の特徴がはっきり出る)。
尾根に濃い緑の帯→針葉樹
谷底に黄緑のパッチ→広葉樹林

広葉樹がパッチ状になる理由

環境条件が細かく違う
広葉樹は「水分・土壌の厚さ・日照」に敏感。谷筋だけ湿っているとか、斜面の向きが南北で違うとか、細かな地形の条件に応じて種類が変わる。その結果、色づきが「まだら模様」になる。

種ごとに紅葉の色が違う
同じ谷でも、赤・黄・オレンジが混ざり合う。

針葉樹が帯状になる理由

環境に対して一括で強い
針葉樹は「寒さ・痩せ地・急斜面」にまとめて強い。標高や斜面条件に応じて帯状に一斉に広がる。

優先すると他を排除する
針葉樹林は暗くて土も酸性化しやすいため、下草や広葉樹が入りにくい。そのため面で広がりやすい。

地形の大きな条件に左右される
標高や気候帯に沿って帯になる。

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