万有引力と第一宇宙速度

万有引力の法則

G:万有引力定数
M:地球の質量
r:距離

万有引力の公式を見ると重力の大きさは距離(半径)の二乗に反比例するという意味になっています。

地球の質量5.972 x 10^24kg、半径6,371kmを使って計算すると

g = G * M / r^2
(6.67 * 10^-11) * (5.972 * 10^24) / 6371000^2 = 9.819943

となり、重力加速度9.8m/s^2が導き出される。

衛星と第一宇宙速度

ISS(国際宇宙ステーション)が地球を回っているのはエンジンを噴かして飛んでいるわけではなく、地球に落ちない速度で動いているから。このギリギリ落ちない速度を第一宇宙速度といい、円運動を理解することで計算できるようになります。

はじめに角速度。一定の半径で回り続ける場合、弧の長さは角度(ラジアン)×半径となる。この場合、弧の長さが速度になります(弧度法)。

つぎに向心力。速度ベクトルが円運動をするために必要な加速度を求める。この中心に働く加速度がないと速度ベクトルはまっすぐ進むことになる。ハンドルを切って横方向に力を加えるようなイメージをするといいかもしれません。求め方は微小時間で考えるとわかりやすくなります。

重力加速度と向心力の式をまとめると円運動をするための速度、つまり第一宇宙速度の式になる。

ISSの速度を求める

高度400kmのISSに必要な速度は7.642km/sになります。ちなみに高度400kmにおける重力加速度は8.693m/s^2となり、地上より少し軽い。

import math

# 重力を計算する関数
def CalcGravity(G, M, r):
    return G * M / pow(r, 2)

# 第一宇宙速度を計算する関数
def CalcFirstCosmicVelocity(G, M, r):
    return math.sqrt(G * M / r)
    
# 万有引力定数
G = 6.67428 * pow(10, -11)

# 地球の質量(kg)
massEarth = 5.972 * pow(10, 24);

# 地球の半径(m)
radiusEarth = 6371000

# ISSにかかる重力を調べる(ISSの高度=400km)
h = 400000
g = CalcGravity(G, massEarth, radiusEarth + h);
print(str(g) + ' m/s^2')
# 8.69397913787899 m/s^2

# ISSに必要な速度を調べる
v = CalcFirstCosmicVelocity(G, massEarth, radiusEarth + h)
print(str(v) + ' m/s')
# 7672.478917701804 m/s

月の速度を求める

月が地球へ落ちないために必要な速度は、地球からの距離が384,400 kmなので1.018km/sになります。

import math

# 第一宇宙速度を計算する関数
def CalcFirstCosmicVelocity(G, M, r):
    return math.sqrt(G * M / r)
    
# 万有引力定数
G = 6.67428 * pow(10, -11)

# 地球の質量(kg)
massEarth = 5.972 * pow(10, 24);

# 月が周回するための速度を求める(地球からの距離384,400 km)
h = 384400000
v = CalcFirstCosmicVelocity(G, massEarth, h)
print(str(v) + ' m/s')
# 1018.2875200380001 m/s
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