購入してから半年以上経ったので、エレクトリックバイオリンの感想を書いてみます。あまりレビュー記事を見かけたことがなく、ただでさえバイオリン人口が少ないのだからエレクトリックバイオリンを買う人はさらに少ないのだろうと想像できます。
ここでは木製バイオリンのリハビリとしてエレクトリックバイオリンを使った人間の視点で書いていきます。
購入したきっかけ
子供の頃にバイオリンを習っていたけれど、社会人になってから全く弾かなくなり、久々に再開しようと思うも、いろいろとハードルが・・。
一番の理由は、集合住宅で音を出して楽器の練習ができないこと。また、社会人なので練習できる時間帯が夜しかない。木製バイオリンはサイレンサーをつけても廊下まで音が響いてしまう。夜中の練習なんてもってのほか。
そんな悩みを抱えている時にエレクトリックバイオリンを知り、ヤマハの銀座店へ実物を見に行った。思った以上に格好よく、肩に挟んで構えたところ木製バイオリンと感覚も変わらなかった。音も生音に近かった。
後日また銀座店へ行き購入を決めた。工業製品とはいえ木材の色や木目模様に個体差があるので実物を確認してから買うことにした。焦げ茶色の大人しめの色を選んだ。
環境構築
本体だけでは音がでないため、周辺機器をそろえる必要があった。
エフェクター:ZOOM A1Four
ヘッドフォン:SONY MDR-CD900ST
弓:鈴木バイオリン製造 No.1051
スタンド:HERCULES STANDS DS-571BB
エフェクターは必須。静かに練習するためにはヘッドフォンも必要。
弓は新しく購入した。そもそも所有している弓を使うこともできたが、YEV104より高価なので、本体よりも弓のほうが高価というバランスが気になり、エレクトリックバイオリン用に分けて用意することにした。安物の弓は明らかに弾力性がなくて嫌だったので、フェルナンブーコ材が使われている鈴木のNo.1051にした。(5万円ぐらい。安いのか高いのか・・)
また弦も最初からついていたもの(ダダリオ製)を外して、慣れ親しんでいたドミナント製でそろえた。肩当も同じようにWOLF Forte Secondoを使っている。
エフェクター
エフェクターはアコースティック楽器向けに作られているZOOMのA1Fourを選んだ。
バイオリンからの出力をシールドで入力につなぎ、ヘッドフォンを出力につなぐ。これでバイオリン側でピックアップされた音にエフェクトがかかり、ヘッドフォンへ音が届く。
いろんなプリセットが容易されていてバイオリンの音がシンセっぽい音に変換されて面白い。が、結局リバーブの利いた生音っぽいエフェクトをカスタムで作成し、以後それしか使っていない。リバーブがかかると上手くなったように錯覚するため(お風呂で歌うと上手く聞こえるのと同じ効果?)リハビリするモチベーションには大いに役立った。
買ってよかったところ
木製バイオリンと同じシルエットと重量で設計されているので違和感なく弾くことができる。肩当てや弦などほとんどの部品は普通のバイオリンと同じものをそのまま使うことができる。バイオリンケースにもきれいに収まります。(ケースはGEWA Air)
また、夜中に練習しても大丈夫です。エフェクターのAUXにPC等から出力した伴奏の音源などをつなぐことでヘッドフォン内で合わせて練習できます。
バイオリン経験者なら違和感なく使うことができると思います。逆にエレクトリックバイオリンでバイオリンを始めるのはおすすめしないです。やはりどこか別物という感じはします。
以上、ヴァイオリンのシミュレータとして考えればかなりよいアイテムだと思います。